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泣きながらストリップを観る [考察]

『彼女は夢で踊る』で、
「泣きながら観てる人っているじゃない?」っていう台詞がありました(不確か)。

わかる、わかる!

3年半前にはじめて見たとき、空まことさんと木村彩さんの演目で、
うるうるしたもん! なんでだろう? って思いながら。

だから、その後NHKのドキュメンタリー『裸に泣く』も、
いいタイトルだなって思いながら見ました。

今、その理由がわかった気がする。

横浜ロック座、4月頭の千秋楽。

桜庭うれあさんの「Be..」という演目を観ました。
白っぽいかわいい場面から、黒くて帽子を使ったかっこいい場面、
それからパステルカラーがいろいろのふわふわした衣装
(最後の脱ぐ場面=「ベッド」で着る衣装は「ベッド着」と言うらしい)
と、いろんな要素があって、ダイジェストで全部見れますよ、というお得な演目?

このパステルカラーのふわふわの場面で、
顔のほうに足を引き寄せながら上に伸ばすポーズのとき、

女性に生まれて良かった!
って突然思ったんです。

そしたらなぜだか涙が…。

桜庭さんのうっとりとした表情が、
自分の体をすごく大切にしているように思えて。

女性は損だったり、面倒だったり、
男性の機嫌を取らないといけなかったり、
男性に選ばれなきゃいけなかったり、
男性に従わなきゃいけなかったり、

そんな価値観、間違ってる!
女性は女性であるだけで素晴らしいんだ!

そう思って涙が出たんですよねー。

自分、幼稚園生のときから
「男の子は、どの女の子がかわいい、かわいくないって
選別してばっかりなんだな、自分は後者なんだな」って思ってました。

職場は(珍しいほど)男女平等で、めちゃくちゃ恵まれてるけど、
世の中の女性差別に、いつだって敏感。
そして傷ついていたんだな、自分。

この記事で「男性を介在させない、女性だけで得られる性的な恍惚を得たい」
と書いたことは、そういう意味もあったのです。

つまり、男性の機嫌を取ったり、自分は選ばれた/選ばれない、っていう
世界じゃないところで、うっとりしたい。
ただの一人の人間として、誰にも邪魔されずに、うっとりしたいの!


同人誌『イルミナ』創刊準備号の座談会では、
「今までは女性でいることが重たいことだったけど、
それがチャラになった」という感想が紹介され、
創刊号では宇佐美なつさん(踊り子さん!)が、
「女という性を持つ私たちは特に、この“見る”という暴力に晒されやすい」が、
それを理解したうえで敬意をもって見る文化がストリップにはある、と書いている。

(宇佐美さんも言うように)
こうしたことを、女性が搾取される性風俗カテゴリーで感じる、
というのがまたものすごく不思議で、
頭がぐるんぐるんします。





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