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桜庭うれあさん5周年イベント(川崎ロック座11月頭) [ストリップ観劇]

周年イベントがあるというので、勇気を出して行ってみた。

土曜日の2回目の公演終了後、踊り子さん全員が出てきて、
お誕生日ケーキに、キャリア年数ぶんのろうそくを立てて、
火を当人が吹き消したり、花束やプレゼントの贈呈があったり、
共演の踊り子さんからのコメントと、本人のコメント、
という感じ。

宝塚だと(すぐそれだ)、お茶会(ファンミーティングのことです)に、
ほかの生徒(出演者のことね)が来て、コメントしていく、
ってやつですね。(最近はほかの生徒は来ないのかな?)

ファンが知らなかったようなエピソードが飛び出して、
ああ、やっぱり素敵なお人柄だな、とか、
え、意外な一面が、とかわかって、すごく楽しい、あれですよあれ。

うれあさんは、あれだけの舞台を見せてくれるのだから、
すごくお稽古されているんだと、もちろんわかっていたけど、
共演の踊り子さんたちから、「努力家で」「向上心が」
って言葉が出てくると、やっぱりそうなんだーー、と胸が熱くなる。

ポラロイド撮影ですごく優しくて上品なのはわかってたけど、
共演の踊り子さんたちから、気配りのエピソードをきくと、
やっぱりそうなんだーー、とこれまたほっこりする。

また、シャンパンで酔っ払ってへろへろになっている様子など、
普段は見られないもので、ななななんと素晴らしいイベントであろうか。

SNSで見ていると、出し物があったりする場合もあるようですね。
矢沢ようこさんの昨年の23周年では、
出演された映画「彼女は夢で踊る」の寸劇があった模様。

客席はほぼ満席で大賑わい。
女性もけっこういて、(気分的に)ありがたかった。

今回は周年作(何周年を記念した作品)を踊っていて、
真っ赤な、フリルつきの、ゴージャスな和服。
モガみたいで、ボブにした髪型が合ってる。
帯をくるくるーって自分でほどいて、それを投げながら一緒にターンするのとか、すごすぎる。
曲にあわせてばっと脱ぐと、黒のSMの女王様みたいな恰好(語彙…)、
チェッカーフラッグを持っていて、寝そべってそれを振り回す振りがかっこいい。
白いベッド着に着替えてしっとりと、次は元気いっぱいに。

特にストーリーがあるわけではないけど、まったく飽きさせず、
何よりすごく楽しそうで、踊ることそのものが喜びなのだ、ということを思いました。

そうそう、イベント後の回では、リボンさんが4人いて、
四方から白いリボンが!!
なんと美しいんだろう。夢のよう。
(私、ほんとにリボンさんが好きなんだな 笑。
2回目、3年ぶりにストリップを観たとき
上手なリボンさんがいた、というのも、はまる理由の一つだったかも)

ほかに印象に残ったのは、
赤西涼さん。和服で、心から好きな人とは結ばれず、
好きでもない人に挑戦的に媚びて寵愛を得るけど、心は満たされない、
というようなお話かな。切ない。
前に観た、ハーレムの踊り子のような題材も、ちょっと似ていて、
こういう仕事をしているからこその感慨とかがあるのかな、とか思ったり。

浜野蘭さんも和服、赤い布を使って、これも切ないお話、多分。
男性で高い声のボーカルの日本語の歌っていうのもまたいい。



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浅草ロック座「秘すれば花」 能とストリップ? [ストリップ観劇]

10月末に観劇。

能が題材ということで予習しておいた。

能ってとにかく、
若く美しい女性が、年老いてしまい、諸行無常…
って話が多すぎないですか。
男性はないんですか。
観阿弥世阿弥の時代は衆道も盛んだったはず。
直接的すぎるから女性に託してるんだろうか。

まあともかく、「女性の美しさに魅入られる」という前提があるわけで。
それをストリップでやる、と。

しかも、「秘すれば花」というタイトル。
能って抽象的で、生々しいものとは真逆。
ストリップ、全部脱いじゃうよね。
どうなん?

と思ってたけど、
なるほど、全然アリだと思った。
っていうか、一周回ってぴったりなのかもしれない。

目の前に裸があるのに、触れない。観るだけ。
むしろ、美しすぎて「幻」なんじゃないかと思う。

女性の裸が、女性美のイデアになってるわけです。
だから、能の抽象的な世界に逆に合っている。

特に良かったのが、橋下まこさんの1景。
インドの女神さまみたいな衣装で、神々しかった…!!

桜庭うれあさんの「菌」はキノコの意味だそうで、
ポップでかわいい場面。
衣装とカツラがあまり自分好みではなかったけど…
みんなでお教室でぴょこぴょこしてるのがとってもかわいかった。

矢沢ようこさんの雪女みたいなのも、
バックダンサーの方たちの武士っぷりとあいまって、完成度高かった。

トリの南まゆさん、いわゆるタヌキ顔がかわいい。
なのに鬼の面。その差が魔物っぽさを際立たせている。


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アングラに憧れて『すとりっぷ小屋に愛をこめて』『ストリッパー』 [ストリップの過去や読んだもの]

『すとりっぷ小屋に愛をこめて』川上譲治 2015年
(元は『さらばストリップ屋』1988年)

新宿にあったモダンアートという実験的な劇場。
そこを中心に、雇われて働いていた人が書いた本。
今は(というかもともと)写真家だそうです。

1976年にたまたまストリップ劇場で働きはじめて、
ストリップを「ショー」にしようとしていて、
アングラ演劇の要素を入れてすごく頑張っている。
特に、『ぴあ』とか、大学生が読む情報誌に掲載されて人気になることを狙ってるんだけど、
なかなかうまくいかない。

アングラとか暗黒舞踏とストリップって親和性高そうだけど、
ストリップだけ観たいお客さんが多くて、
そちらを重視しないと採算が採れない、ってことなんだろう。

日雇い労働者のための炊き出しを手伝っていたことがある夫いわく、
「お祭りで、支援者側は暗黒舞踏をよんじゃうんだけど、
日雇いのおっちゃんたちは演歌とかのほうが楽しいんだよね」
とのこと。
あるあるですな。

アングラやりたい俳優さんたちがみんなインド旅行のためにストリップやるってのも、
時代を感じさせて面白い。すごく貴重な記録。

ちなみに、ポラロイドショーはこの人がはじめたのだそうだ。
1981年、前田真理子という芸名の踊り子さん。
いかにも女子大生っぽい普通の名前をつけて、
設定も女子大生で、大人気になったらしい。
写真が載ってるけど、小顔ですらっとしてて、アイドルみたい。
しかも、写真を撮らせるだけって、むちゃくちゃ画期的!

この方はほかにもいろーんな形態のショー?を考案するんだけど、
(たとえば、本番を覗き見た映像を流す「ストトルショー」とか)
残ったのはポラロイドショーだけ、なのかな。


『ストリッパー』二代目一条さゆり
(元は『踊り子の日記』1993年)

二代目一条さゆりさん、今も振り付けや衣装製作をしているらしい。
香港映画の専門家でもあるらしい。

二代目を名乗って、一条さゆりが人気を博したローソクショーをやりますよ、
ということでデビュー。
(初代には事後に承諾を得るという、適当なところがこういう業界らしいのかな)

1986〜1993年の日記。
消費される側の踊り子さんが自分でものを書くというのは、
1980年代以降のことだろうか。
AV女優が文章書いたりというのもあった。興味深い。
それ自体、誰か研究していそう。

経営者側でも裏方でもなく、出演者側の裏話はとーっても面白い。

楽屋でいじめられる!
摘発されて牢屋がめちゃくちゃ寒い!
彼氏できたけどすぐ別れちゃった!

風営法改正の直後ぐらいの話で、
浅草ロック座が今のような形になってすぐ、ロック座所属になったりもしている。
当時は一瞬、あの広い劇場で、ソロをやってたんですね。
それがもたなくなって、構成振付を劇場側が作って、バックダンサーもつくような形式に。
(宝塚大劇場ができたときみたい。
大きすぎて御伽歌劇じゃすかすかで、パリからレビューを輸入)

この方、大学の文学部出身で、アングラに憧れて踊り子になったと。
そういうノリはすごくよくわかる。当時自分は中高生だったけど、
なんかかっこよく思えたんですよね。ああいうの。

でも、昭和天皇が死んだあと、
劇場が喪に服さなかったことをと非難しているのには、驚いた。
アングラ=アンダーグラウンド=地下組織=反体制、ではないですか。本来。
この人にとってのアングラは、イメージとしてのアングラのようだ。


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