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浅草ロック座「Rebirth」 [ストリップ観劇]

リクエストされた再演場面ばかりということで、
最初から最後までテンション高く大満足です。

自分は感度が鈍いのか、度量が狭いのか、
どんな公演、香盤でも、印象に残らない景や踊り子さんが必ずいるのですが、
今回は全くそれが無い!!!
連日満員なのも納得です。
全体的に、哀しく切ない場面が多かったかな。
誰でも知ってる題材と、それにドンピシャな選曲っていうのも名場面のコツかもしれません。

橋下まこさんは絶対に浅草でプロデュースされるのが映えると思っていて、
今回の羽扇とかもうピッタリ! 
イカれてる、おかしな、そしてHな、ハートの女王様。
手拍子を要求したり、あっかんべーしたり、かーわいい。
うしろでちょこまか動くトランプ(バックダンサーさん)や、
ゆきなさんと桜庭うれあさんのアドリブを見るのも楽しいです。

白鳥すわんさんはバレエの基礎がしっかりしていて(お名前の通り)、
でもちょっとかわいこちゃん系かなと思っていたのですが、
今回とても激しい酒呑童子の役で、
こんなこともできるんだと驚きました。
ポーズで足をのばさずかかとを出していたりして、
ストリップ特有の決めポーズが、苦悩の表現であるという。
切りかかる武士たちの服装が、和洋ごちゃまぜだったのもファンタジーっぽくて面白い。
(うれあさんは南蛮風の衣装で、刀使いがとてもかっこいいです)

ののかさんは銀河鉄道の夜のジョバンニ。
冒頭、朗読もあります。
カムパネルラを桜庭うれあさんがされていて、
さらさらロングヘアと透明感あふれる表情で、
突然、若くして亡くなった友人を思い出して涙がとまらなくなりました。
彼女もあんなさらさらのロングヘアで、いつも優しい表情でした。
自己犠牲の人でもあったから、カムパネルラが彼女そのものに思えてきました。
選曲もよく、ポーズは友人を失った悲しみと追悼を表していました。
ののかさんがポーズを切るたびに、涙がこみあげて嗚咽…。
ネイビーに模様が入って、ラメがついてる、透ける衣装も、
銀河を表現していてとてもきれい。

ゆきなさんは狐の嫁入り。
かなりファンタジックでかっこいい嫁入りの群舞。
これって…、荻田浩一ぽいです! (←元宝塚の演出家です)
ダークで、せつなくて、あやしくて、セクシー。
オギーがストリップの演出をしたらさぞすごかろう。
ショーは宝塚辞めてから、ほんとに少ししか演出してないから、ぜひ!
(演劇で「レビュー」とか「ショー」って、まず無いんだもん)
って閑話休題。
ゆきなさんは一人になると、ほとんどポーズを切らず、
うっすらとした初夜の暗喩があるようにも思いますが、
ほんの少ししか動きません。
でも、客席みんな釘付けです。舞台からの照明も美しく、
ゆきなさんの美しい肉体そのものと、それを彩るちょっとした動きを、
永遠に見ていたくなります。もはや貫禄です。


そもそもストリップの舞台って、本舞台から花道が長くて、先端に盆がある。
だから、本舞台の照明と盆の照明が別個にあり、
さらに本舞台から盆に照明を投げかける劇場もある。
特に浅草は大きいから、奥行きがあってとてもきれいです。
こんな構造の劇場ってほかにありますかね??
ファッションショーのランウェイが花道があるけど、盆はないし。
いつからこういう構造なんだろう? 日劇とかって先端に盆はなかったですよね??
宝塚の銀橋みたいに、外国の何かを真似たけど、
外国ではそれは今はもう無い、的なものだったりして?
調べてみたーい。


休憩挟んで5景は、明るくポップな場面。
カジノドパリやクレイジーホース、
はたまた日劇ミュージックホールのヌードショーもかくや、というおしゃれさ。
こういうの大好き~~!
踊り子さん全員がカラフルな傘を持って、
ペイスティと金髪ボブのかつらで、かわゆく練り歩きます。
メインの桜庭うれあさんはピンクの衣装に着替えて盆へ。
足をくいくいっと動かしたり、ブラをちらちらさせたり、音楽と一体化しています。
そして、私の大好きな、超高速で次々と繰り出されるポーズ、
かーらーのー、腰を上げた大きなL! 
反りがすごくて、その反りとともに私はさらに高揚します。
「死ぬときこの場面が見たい」と思いました。本気で。

6景は空まことさん。
軍服っぽい衣装で、英語のスピーチが流れています。
途中から光を求めていって、ぼろぼろの布を羽織って自由に踊ります。
ベトナム戦争からのヒッピー文化だと理解しました。
本当に高度な踊りをしていて、
軍服で窮屈そうなアイソレーションの動きをしていたからこそ、
光を得て、自由になる解放感が実感できます(まさに裸が自由の象徴!)。
スピーチはあとで調べたら、もっと大昔の、
有名な反戦・反体制のコメディ映画の1シーンなんですね。

トリは真白希実さん。巴御前です。
大きな鉈を美しく操っていて、1.5kgもあると聞いてびっくり! 
盆では短刀を操ります。本当に手の動きがきれい! 
後ろを向いて片袖をぬく動きも、ただ腕を見せるだけでなく、小さく回転させているんです。
愛する木曽義仲を失ったあと、短刀で自殺しようと逡巡している場面だと思うのですが、
短刀が木曽義仲そのものだとしたら、それは交歓の場面であり、
一方で、死を思わせるその哀切さは、年末での引退を表明された真白さんと重なります。
真白さんが辞めるなんてーーーー

(『鎌倉殿の十三人』だと巴御前はそのあと和田義盛の妻になってたよな、
とあとから思ったり 笑)

どの場面も充実で、私にしては珍しくリピートしました。
いずれも満員で、初心者を連れてきている方も多かったです。


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