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映画「彼女は夢で踊る」 [そのほか]

(ネタバレします)

今の時代のストリップの良いところを余すところなく描いていて、
しかもすごくロマンチックな映画なので、
役者さん目当てとか、単に恋愛映画を見に来たという人は、
絶対、ストリップを見に行きたくなるはず。
というか、ストリップの宣伝にちょうどいいのでは。

好きで好きでたまらない踊り子さん、
いつか帰ってきてくれるんじゃないかとずっと待ってた、
劇場主=社長にまでなって。
閉館公演に出演するためにあらわれたそっくりさんは、その娘?

…ではなくて、幻だったんだけど、
むしろ、自分のストリップへの愛、劇場への愛の権化だった、というオチ、
すごく良い。わかる。

出だしのほうで、閉館についての取材で、
ストリップへの思いを聞かれても、ちゃんと答えない社長。
(現場の人はそういう人が多いのかもしれない)
でもそれに対する答えが、映画全体で描かれているという構成なわけだ。

ヒロイン役の人はストリップの人じゃないのにけっこううまかった。
矢沢よう子さん、お芝居もうまいのねー。
演技のほうでもやっていきたいらしい。可能だ。
でもやっぱり踊りが素晴らしいのよ。

終わっていく文化、というテーマがすごく全面に押し出されていて、
それはちょっと悲しかった。
(途中までは、ストリップというよりは、職場の労働組合と重ねて見ていた。
1970年代はほぼ全員入ってたのに、今は入る人が少なくて財政難。。。)
もちろんつぶれる劇場が多くて斜陽産業なのは確かだけど、私はまだまだ観たいよ。

でも、最後の最後で覆って、まだまだ終わらせないぞ! になって良かったー。

「泣きながら観てる人っているじゃない?」
って話。本当にわかる。

それで気付いたんだけど、「肯定」なんだろうな、ストリップの魅力は。
自分の性欲の肯定、自分の肉体の肯定。


ちょっと気になるのは、社長とよう子さんがやっちゃうとこだ。
えー、踊り子さんに手つけないって言ってたじゃん。
…ひょっとしてこれからおつきあいするのかな?
といぶかしがってたら、
よう子さんが登場したら幻が登場しなくなっている、という指摘を発見。
そうか、そういうことなのか。


以下完全に余談。

もっと気になるのは、時代設定が変なんじゃないかということだ。
社長の年齢はどう考えても60歳代前半。
しかし、社長の若い頃の髪型は、どう見ても今風で、
強いて言えば1960年代後半、ビートルズのマッシュルームカット。
そこに登場する踊り子サラはヒッピースタイルで、1970年代ファッション。
(不思議ちゃんは1970年代はヒッピーで今はゴスロリなのが面白い。)

まあ、広島は田舎で、流行が遅かったということにして、
若いときの時代設定は1970年としよう。
とすると、1970年の社長は10歳代前半だよ?? おかしい。
そのときの上司である前の支配人は、当時、どう見ても50歳代以上。
なのに現在、白髪で登場する。杖はついているものの、今生きてたら100歳だよ!

若いときの社長のスーツとかも完全に今風で、
ここは当時のスーツとか古着屋で買ってこようよ、と。
『この世界の片隅に』ほどの時代考証はもちろん求めないけども、
古着好きとしては気になる。

まあ、この映画における「現在」が2000年であれば、辻褄は合うんだけども。
そうすると、実際の広島第一劇場の時系列とは合わなくなるんだよね。

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